「まったく〜。だから言ったじゃない。歩きながら食べちゃいけないって!もう、買ってあげないからね!」アイスをつけた男の子の母親だろう。しきりにその子を叱っている。(でも、それってちょっと違うんじゃない?先にまず)私は心の中で呟くと、呆れて怒る気にもなれず、ちょうど目の前にあった公園のトイレへ駆け込んだ。手洗いの水をハンカチに湿らす。後ろを振り向いて拭こうとしたが、どうも上手にできない。その時、水の流れる音がしてトイレボックスのドアが開いた。(えっ?男?!)と、いきなりその男は私に話しかけた。「あっ、その顔。驚いたぁ?男と思った?」「俺、“おなべ”。ぁ〜あ、あんたのスカート。お手伝いしよっか?“おなべ”が“なべて(なめて)”・・冗談よっ。アハハハ」大きな声。自分で言って自分で受けて笑っている。そして、その男(女)はハンカチを私の手から奪い、お尻に・・それから次第に太ももへ。(あっ!冷たい!)でも、ちょっとドキドキ。妙な感じ。私って、あちらの気(け)があるのかしら。 |